へたっぴリーグ・ミニコラム「俺はかくぜ!」 Vol.3

激闘プレイバック 2001年 『BYSTARS対神奈川ブレーブス』 窓際淳司


1999年「へたっぴトーナメント」として産声をあげたものの、試合をすべて消化できないという反省から翌年リーグ戦方式へと移行した2年目にドラマは起こった。

東部リーグは前年準優勝のドームズが独走で早々と地区優勝を決めたが、西部リーグは混戦を極めた。初年度から参加のBYSTARS、ホッパーズ、この年から参加の神奈川ブレーブスである。8月には首位の踊り出たホッパーズであったが、9月には1点しか加点できず、3位に転落する。9月終了時点でBYSTARS23点、ブレーブスとホッパーズがそれぞれ17点とわずか6点の中に3チームがいた。そして10月終了時点でBYSTARS26点、ブレーブス21点、ホッパーズ18点とそれぞれ加点する。

11月に入り、3日にブレーブスがダブルヘッダーを連勝し6点を加え27点とし、首位に踊り出る。BYSTARSも翌日に試合を組んでいたものの、不運にも前夜の雨でグランドが使用できず中止となってしまう。

残り試合は3チームとも2試合ずつ。この時点でホッパーズは連勝しても追いつくことができず、脱落してしまう。
(注:当時は20チームしかなく、今のように毎週ダブルヘッダーなどは組めないのであった。)

17日の試合に共に勝ち、勝ち点差1のまま最終戦を迎える。早い時間帯だったBYSTARSは、東部3位のポセイドンと対戦し逆転勝ち。勝ち点を32としてわずか2点をリードしてブレーブスの結果を待つことに。一方ブレーブスはプラスティック・ボンバーズと対戦。勝てば文句なし、引き分けて勝ち点でならんでも得失点差で大量にリードしているので優勝が決まるという状況。対戦するボンバーズは1勝3敗1分けで7位と、スポークスマンであるTさん以外目立つことなく、当然ブレーブスが勝って優勝を決めるであろうという予想は誰もが容易にできた。

初回、お互いに2点を取り、以降は両エースの投げ合いとなった6回表、ブレーブスは二塁打、盗塁、犠牲フライでとうとう勝ち越しに成功する。そして最終回、7回裏ボンバーズの攻撃。2回以降完全に高橋投手の投球の前に封じ込まれていたのだが、さすがに勝ちを意識したのか、先頭打者を四球で歩かせてしまう。続く5番打者は動揺を隠せないその初球を狙い打ち。しかし打球は痛烈なショートゴロ。セカンドはフォースアウトとなるが、バッターは必死で走り一瞬足が速く1塁はセーフ。次の打者にはカウント0−3と悪くするものの2−3と追い込む。しかし次の球はボールとなり、一死1,2塁。7番打者の2球目、痛恨のバッテリーエラーで二塁ランナーは三塁へ進む。3球目、一塁ランナースタート!打者はその球を打つがピッチャーゴロで二死2、3塁と一打逆転の場面を迎える。

そして8番に入ってるのはチーム内で「記録より記憶に残る男」の異名を取る野村選手。1ボールからの2球目を痛烈に弾き返した打球はライト線へ!これで、三塁ランナーに続き、二塁ランナーもホームへ!ライトからホームへの返球も間に合わず、な、な、なんと!ボンバーズ奇跡の逆転サヨナラ勝ち!!

この瞬間、BYSTARSの優勝、そしてプレーオフ進出が決定し、またへたっぴリーグに感動の1ページが加えられた瞬間でもあった。


(参考文献:プラスティック・ボンバーズ 田中氏著/「11/23 神奈川ブレーブスvsプラスティックボンバーズ試合結果」)


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